戦闘は必須か?


 ソースは3番デッキさんより。


 要するに
「ドラゴンの卵を盗んでこいと言うシナリオ。だが、ドラゴンを倒すことはさせたくない。そう言うシナリオはアリか?」
 ってことだと受け取った。


 とりあえず、個人の意見を言えば、それもありだと思う。
 ただし、最近のRPGのあり方で難しいと思うし、今回のシナリオがそう言う者だとGMとPLの共通認識としてあれば、だろうけど。


 まず、最近のゲーム事情。
 最近のゲームでは戦闘が当たり前と言うか、戦闘が主体に出来ている。むしろ、「戦闘以外何が出来るの?」的なシステムが多い*1
 戦闘がルール的/システム的に推奨されている、てこともあるか。


 いや、これは昔からのRPGからそうなのだけど、例えば戦士系の役目がないシナリオをするとホント、戦士系のPLは暇なわけで。
 本当に戦闘一つ無いシナリオで戦士系が「筋力の強さを生かした」「運動能力を生かした」とかそう言う事が全くない場合、ホントにそれで楽しめる人間は希有*2


 だから、先ほど言った後者のGMとPLの共通認識が必要なのだと思う。


 自分の場合、ゲームが始まる前、キャラメイク時点にそれはぶっちゃける。
「今回のシナリオ、ドラゴンの卵を盗んでこいと言うシナリオですが、ドラゴンは倒せません」。
 そこに倒せる、と言う可能性があるからPLは戦おうとするわけで、倒せないと断言していれば問題ないはず*3
 そこまでGMが断言しているのに
「大丈夫大丈夫。ドラゴンは倒せる」
 って言うPLは無視無視。真っ先に殺しても良い。


 ただし、ドラゴンを倒せないのであれば、どうやってシナリオを盛り上げるのか、それはGMの課題だ。
 要するに「戦闘をする」というのは一番短慮で効果的な盛り上げ方でもあるのだ。戦闘をしなければ行けない、と言うのが最近のシステムなのではない。戦闘した方がシナリオを作る上で楽ってだけだ*4。だから、敢えてそれを無視するのなら、そこから発生するフラストレーションをちゃんと処理することが、GMの必要な事だ。 


 余談だけど、そのドラゴンは九つの頭を持って磯臭い臭いを発しており、死にながら夢を見ていると言う設定を付ければ、
「わぁ、そんな外から来たッぽいの、殺せるかっ!!」
 と言ってくるPLがいれば、僕は幸せになれると思う。


 あと、とりあえず、愚策を持ち上げる必要は無いと思う。
 基本的にPL≠PCだと思うので、PCが相応のソース*5さえ払えばGMがヒントをだして持ち上げるのはOKだと思うけども*6、何もソースを払わずにPCとして策を持ち出すのであれば、それが失敗しても「俺の策が失敗するなんて」ってそこまで怒るところまでロールプレイと割り切るべき。
 結局、
「1+1=3」
 と回答したPCに対して
「この世界は3なんだよ」
 とGMが言う必要は全くないのだ。
 まぁ、天然に失敗している可能性もあるので、それを馬鹿にするのは良くないですがね。


 まぁ。とりあえず。


 絶対に勝てる勝負は面白いと思えない。
 ただ、GMが思うほどPLは互角以下の勝負を互角と考えてしまう。GMに取っては陣営の全滅が敗北だけど、PLに取ってはパーティが勝っても自分のキャラが死ねばそれが敗北だからだ*7
 その辺りを踏まえ、本当にギリギリの勝負が出来、勝っても負けても「今日の戦いは良かった」と思える、そんな戦いはいつかしてみたいなぁ*8

*1:“最近の”と書いたのはFEARゲーに限ったことじゃないと感じているから。まぁ、最近のゲームもしていたりしていなかったりするのですが。……ところで最近のR&Rの影響で比叡山炎上が欲しいなぁ、と思うです。……ゲーム幅を広げる良いチャンスか?

*2:PL力が強いとそれでも色々やってくれたりするけど、大半の人は能力以上のことは無理

*3:ただし、「ドラゴンと戦わせたくない」のであれば、口が酸っぱくなるくらい言うべき。都合の良い解釈をしてドラゴンを倒そうと愚考する奴は必ずいる。それを冷笑するか、先に止めるかはGMの人間性だと思うのだけども

*4:余談だが、昔、確かアリアンロッドの公式シナリオで「街に何故かドラゴンの卵がある。このままだとドラゴンに街を滅ぼされ兼ねないので卵を返しに行く」と言うシナリオがあった。街を守るためにドラゴンを倒す=倒せないので死亡とかそう言う感じだったので、公式的に言えば「障害=粉砕」は全て肯定、って事じゃないと思いますよ、3Dさん

*5:コスト、とも言う。僕はソースを払えばそれがあまりに愚かな行為でない限り相応のリアクションを返すことにしている

*6:特技とか魔術とか神業とか

*7:生き返らせる能力全て使い切って、で。蘇ることが前提ならまだまだ!

*8:そりゃ、GMも人の子ですから敵データの調整に失敗してPCを全滅させることもあると思います。