世界中が雨だったら


世界中が雨だったら

世界中が雨だったら


 市川拓司さんの新作であり、短編集。
 今日の行きのバスの中で読了。
 そしてカラオケでたうさんに「花」を掛けられる罠。
 いや、それは置いておいて。


 帯で書いてある通り、これは「愛」をテーマにした物語。
 ただ、狂気を帯びた愛。
 愛すると言うことはすなわち、他者に自分をさらけ出すわけだからそこに狂気が混じるんじゃないかなぁ、と感想。いや、愛する=狂気ではなく、狂気的な一面があるからこそ愛であり、愛のとある一部分が肥大化すると狂気になるのでは、と思うのだ。
 ……そう言う局面を描写できたらなぁ。


 欲を言えば、『循環不安』の終わりが弱いかなぁ、と。
 もうちょっとキリ良く終わって欲しかった。最後、無理矢理終わらせた感じだと思ったのは、単なるあの終わり方に納得していないだけかも知れないけど。