英雄の話

 英雄の話をしたいと思う。

 もともと、TRPGが好きだと言うこともあり、いつか「自分もゲームがデザインできたらなぁ」と考えていたこともある。
 まぁ、憧れは憧れ。夢は夢で締まっておけば良かったのかも知れない。

 ちょうど静岡に転勤してきてうだうだしていた頃、一つの話を読んだのだ。上遠野浩平著『虚無を心に蛇と唱えよ』*1


 結局、格好いいのだ。
 自分は格好いい人/物/事が好きで、そして、彼女*2は格好良かった。英雄と呼ばれ、悪鬼と呼ばれ、それでも戦う彼女。
「世界を守れ」
 それが彼女に刻まれたただ一つの命令だから――。


 なんてな。


 実際は、ちょっと違うけど(苦笑)。


 で、それから作りたい作品は決まった。
 「英雄」の話だ。恥ずかしげもなく「格好いいことをする奴ら」の物語。PCはそんな「英雄」が出来る物語。そう言うのを作りたかった。


 それから、色々あって「竜と英雄と神の話」になるんだけど。


 根本的なものは「英雄の話」なのだ。それだけは、絶対に。

*1:後にメディアワークスより『機械仕掛けの蛇奇使い』と名前が変わって内容もいくら変わって出版された。

*2:作品の主人公である“蛇機”エウレーダ。格好いいお姉さん。そしてエロい。ええ。文庫版で男の子になっていたのはそれも理由の一つではないかと推測。